何かの自己啓発本に
「会社から貰える給料の3倍の利益を稼ぎなさい。」
と書いてあった。
ミクロの視点からみれば、その理屈は正しいように見える。
利益がなければ組織は存続できないので、当然だ。
だけど「自分は給料の3倍を稼いでいるぞ!」という実感を持っている社会人がそんなに沢山いるとは思えない。
実際には、ここにパレートの法則が当てはまるのだろうと思う。
2割の人間が、全体の8割の利益を稼ぎだしているはずだ。
その仮定をふまえて、人は2種類の選択肢を選べることに気付く。
「2割の稼ぐ人になるか?」
「8割の稼がない人になるか?」
自然の摂理として、8割は稼がない人になることを選ぶのだ。
それでも上手く組織は機能する。
だが、例えばここで2割の稼ぐ人に相応しいポストを与えず
8割の人に良いポストを与えてしまったらどうなるだろう?
2割の稼ぐ人は「稼ぐ能力」があるので
自分を優遇しない組織にとどまる理由は全くない。
さっさと組織を離れるだろう。
すると、残った8割の中から新しい8:2が生まれる。
アリの巣と同じことが起こるらしい。
しかし、新しい2割は前の2割よりは能力的に劣る。
当然だ。
ここでまた8割の人を優遇したらどうなるか?
エンドレスに前述の流れが繰り返されるだけだ。
組織の弱体化。大企業病の一因だ。
無能を優遇するという行為は、【決定的な】間違いなのだ。
本田宗一郎は、息子に会社を継がせなかった。
それをしてしまうと組織は終わってしまう。
大王製紙のバカ息子みたいのを優遇してはいけないのだ。
それが今や国家レベルで起きているんだと考える。
2割の優秀な人材が海外に流れて8割の雇用が失われているのだろう。