毎月一冊を無料で読める Kindle オーナーライブラリーを使って『レイヤー化する世界』を読みました。
10月22日に、新しい Kindle Paperwhite が届いたので、大急ぎで読破しました。
「ウチとソト」という視点を軸に歴史をひも解きながら、未来予測を展開する本となっています。
とは言っても、半分以上が中世の帝国を中心とした歴史の話になっています。
世界がフラット化して「日本人と中国人の給料がいずれ同じになる」という所までは知るところですが、アフリカ人と同じになるという所までは考えが至っていませんでした。
最終的にはロボットに仕事を奪われると言うことですが、
「それで結局どうすれば良いのか?」
が一番知りたいのです。
しかし、それは誰にも分からないで終わっています。
せいぜい著者の提案といえば、SNS 等の場に参加しようという程度です。
でも、私はこの意見には同意しかねます。
例えば、とても尊敬する人を何人か頭に思い浮かべた時にその人達は SNS をやっていないですよ。
SNS でブランディングに成功したような人達が SNS を礼賛するのは自然なことですが、それが未来のキーになるとはちょっと考えにくいと思っています。
本の最後にレーヤー化して幸せに生きている人達の実例がありましたが、どれも美談になっていなかったです。
お金に変換されなかったら、暮らしていけないですよ。
特に SNS用の似顔絵を無料で描くデザイナーの関しては、似顔絵で生計を立てる泡沫イラストレーターとしては本当に勘弁して欲しいところです。
フリーミアムモデルで違う収入源があるのかと思えば、得たメリットは友達が沢山増えたっていう程度。ベーシックインカムが実現している世界なら美談なんでしょうけどねぇ。
極限までフラット化した世界でどう生き抜いていくべきかはずっとテーマとして考えていますが、残念ながらこの本には答えがありませんでした。
そのあたりは「ワーク・シフト」の方が期待できるかもしれないので、今度読んでみようと思います。